「思考の整理学」

前の記事にも書いた、「思考の整理学」を、久しぶりに引っ張り出して眺めてみました。

約四十年前に書かれたエッセイなので、少なくとも私にとってはそんなに古臭く感じないはずなのですが、ちょっと文体が読みにくいですよね。
私は、この本は大好きですけど。

切り口とか内容は、すごくうなずける妥当なもので、結構目からうろこが落ちるような感じがするんですが、やっぱり若い人にはわかりにくいかもしれない。
この本を、以前に、会社に入社したての人たちに読ませて要約させる練習をしてみたことがありますが、なんだか文章にうまく入り込めない人が多かった記憶があります。
それと、漢文の題材を持ってくることにもついていけない人も少なからずいたような気もします。

適切な題材で、共感を呼びやすい、もう少し”up to date”なエッセイはないものかしら。

わからなかったら、三日考えてみよう

何だかよくわからないときがあるだろう。
色んなタイプのわからなさが起きるときがあるだろう。

何処からとりついていいかも、理解できないときもある。
また、最初の切り口だけは判るときもある。

そんなときは、とりあえず、三日間だけ考えてみよう。
当然、呆然と考えるのではなく、かといって、真剣に考え込んでいては疲れ果ててしまうので、いつも頭の周りを紐をつけて飛ばしているような感じで。

決して、この時点であわてる必要はない

そうやって、自分の周りを飛ばしていると、ある日突然、わかってくるかもしれない。
その状態は、いろんな表れ方をするだろう。

「分かる」というような感じで混沌の中から分別できてくるのかもしれないし、「判る」というように判明して明らかになるのかもしれないし、理(ことわり)が「解って」理解できるかもしれない。

そんなふうに時間を使って見て、考えることに飽きて興味がなくなるのなら、わかる必要もないことかもしれない。
何だか、もやもやと心に残ることならば、いずれまた、心の表層部に疑問として浮かび上がってくるだろう。

そのあたりの見極めのために、三日間ぐらいは頭の周りを飛ばしてみることをおすすめします。

で、浮かび上がってくるようなことが多い人には、例えば、外山滋比古先生の書いた「思考の整理学」の中の、「発酵」とか「寝かせる」とかを読んでみて、それをどう仕立てあげるかを考えてみることも役に立つかもしれません。