私は高分子材料を使った材料設計とかの研究開発にかかわっているつもりですので、少なくとも、その関連では、あまり機械学習とかは有効ではないのかもしれないと、比較的に否定的な見方をしております。
最近、以下の記事を見て、単純に否定していても意味がないかなあと、ちょっと思いました。
ディープラーニング関連の記事
つまり、私が否定的な雰囲気でしゃべっているときにでも、画像認識とか自動運転とかは割と近い未来に実用化されると認めてはいます。
そのうえで、高分子材料の材料設計とかはメゾスケールでの自由度があまりに高すぎるので、(引用元の文脈での)深い関数があまりに深すぎるのかなあと思っているのです。
実際、有機合成におけるレトロシンセシス(E.J.Corey 先生が提唱した最終生成物からのステップワイズな逆合成)のように、かなり限定的な応用においてもあまり成功しているとは思えない状況でした。
レトロシンセシスへの応用
私は、高分子材料の材料設計はレトロシンセシスよりもかなり深い事象だと思っています。
でも、「今月号の「化学」(そういう名前の雑誌)に “AlphaGo” の手法とかを転用する話が出ていて、その文脈で考えると、案外、人間の考えつくことぐらいを多少浅い有機合成の合成パス探索ぐらいには応用できるのかなあという気もしてきました。
で、材料設計に対しても、もしかすると、割と短い時間スケールで今は思いつきもしない「有効なアルゴリズム」が見いだされるのかもしれないなあと、ちょっとだけ思った次第です。
というか、教師データのほうを、例えば以下の記事のように上手に取り扱ってやるだけでも、ディープラーンできてしまうのかもしれないとも思ってしまう今日この頃なのです。
教師データの内容をうまく取り扱う方法の記事